
大豆を一晩水につけると約3倍の大きさになります。輪島市ふるさと体験実習館では、輪島産の無農薬大豆を使います

昔、能登の家庭には必ず石臼があったのだとか。きなこを作るときにも使われます

呉を絞って豆乳とおからに分けます。豆乳とおからを一緒に煮てから分ける方法を「煮絞り法」といいます

完成した豆腐は、温かいままを食べるのがおすすめ。汁もおいしいですよ

今回指導してくれた北野ミサオさん。やさしく丁寧に教えてくださいました
|
すっかり秋めいて、食べ物が一段とおいしい季節になってきました。今回ののとホットラインは、曽々木海岸のすぐそばにある「輪島市ふるさと体験実習館」におじゃまして、海水をにがりに使った能登独特の豆腐作りを体験してきました!
昔、能登の沿岸部では、一般家庭でも豆腐を作り、毎日のように食べていたそうです。今回指導してくださった北野ミサオさんは、輪島市に嫁ぐ前から豆腐作りをしていた名人です。
まず、大豆を一晩水につけ、ふやかしておきます。そして、柔らかくなった大豆を石臼でひきます。北野さんからは「石臼を2周させるたびに、大豆を3〜4粒ずつすってください」とやり方を教わります。ですが、この石臼がとても重たく、スムーズに回すことができません!(>_<)
さらに、「ただ急いで回してもきれいに砕けないので、同じスピードでゆっくりとひいてね」とのアドバイス。約3合、数百粒の大豆を、石臼でゆっくりとひく作業は想像以上に大変です。必死になって石臼を回していると、上着を脱いでしまうほど暑くなり、開始からわずか5分で息が上がってしまいました。 /(-_-);
作業を始めて約30分、北野さんに手伝っていただきながら、ようやく大豆を「呉(ご)」と呼ばれるペーストにできました。これを目の細かい布の袋に入れ、おからと豆乳に分けて煮る「生絞り法」という製法で豆腐を作ります。もちろん、絞るのはすべて手作業。何度も呉を水に浸し、手に力が入らなくなるほど力いっぱいに絞りました。
正直なところ、音を上げそうになっていたので、北野さんから「昔、能登で豆腐作りは女性の仕事だったんですよ」と教わりビックリ!
(@o@)
男性なのにもうへばっている僕と違い、昔の女性はたくましかったのでしょうか。
次に、豆乳を強火にかけて沸騰させ、煮立ったら差し水をしてから弱火にします。再度、沸騰してきたら、にがりの役目を果たす海水を加えます。これは、目の前の曽々木海岸でくんできた海水をろ過しただけのもの。「本当に海水で豆腐ができるの?」と疑っていたのですが、海水を入れた途端、驚くことに固体と液体に分離しました!
それから3分ほど煮たら完成で、「海水は、にがりと違って量が多くても少なくてもちょうどよい固さになるんですよ」と北野さん。豆腐作りでは、適量のにがりを入れるのが難しいと聞いていましたが、能登の豆腐作りはこんなに簡単なんですね。ちなみに、海水で豆腐を作るのは沖縄や山口、長崎など、一部の地域だけで、とても珍しい製法です。
型に入れないままおわんによそってもらい、アツアツの完成品をいただきます。北野さんに「まずは何も入れずに試してみて」と言われ食べてみると、できたての柔らかい豆腐が口の中でフワリととろけていき、思わず「おいしい」!
(^o^)
とてもやさしい味で、凝固剤を使った豆腐にありがちな嫌な酸味などが全くありません。次に、しょうゆをたらしていただくと、また違った味。汁もおいしく、まるでお吸い物のように食べられ、おかわりまでしたほどです。昔の人は、こんなにおいしいものを食べていたんですね。
最後に、北野さんから、「日本海の水なら、きっとにがり代わりに使えますよ」との豆知識を教わり、「ぜひ家でも試してみよう!」と思いました。
輪島市ふるさと体験実習館では、このほか、朴葉めし作りやわら細工、地引き網などの体験が可能です。この秋は、奥能登の豊かな自然と、あまり知られていない庶民の文化に触れてみませんか。
(DATA)
[問合せ先]輪島市ふるさと体験実習館
[住所]輪島市町野曽々木サの45の1番地
[TEL]0768-32-1331
[開館時間]9:00〜17:00 ※要予約
[休館日]火曜日、年末年始
[体験料]豆腐づくり10,000円(10人以内)15,000円(10人以上)、わたふじ染め(ハンカチ)650円、わら細工(ぞうり)850円、地引き網 50,000円(30人以上、4月〜10月、荒天時中止)など
|