
重厚な雰囲気の美術館。隣にある美しい日本庭園も魅力的ですよ

数々の名品の中には千利休や後鳥羽上皇の書などもあります

六曲からなる長谷川等伯の『群仙図』。横幅約360cmという大作です
俵屋宗達の『菊之図
風炉先』。江戸初期の作品と伝えられ、中央に描かれた鮮やかな菊が印象的

野々村仁清の『瓢口平水指』は、5万石を誇った加賀藩筆頭家老で本多家伝来のものだそうです
|
冬の能登は、ズワイガニ(加能ガニ)、甘エビ、ブリなどの魚の宝庫となります。この時期、能登空港には美食を求めて降り立つ旅人が増えています。今回は、奥能登の観光スポットの中でも異彩を放つ輪島市の南惣美術館におじゃましてきました!
重要文化財の時国家や窓岩で有名な曽々木海岸にほど近い南惣美術館。大地主で「南惣」の通称で知られた南家が、25代にわたり収集した美術品約250点を一般に公開しています。美術を愛した歴代当主は絵画や書、工芸などに造詣が深く、日本史の教科書に登場する文人や名工が残した名品が多数展示されています。
早速、南しづ子さんに、かつての米蔵を改装した美術館を案内してもらいます。2階建ての館内に入ってまず目に飛び込んでくるのは、雪国の重い空気を宿すかのような深い色合いをした古九谷の大皿。「この『古九谷船人物文大皿』は、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』で、「21世紀に残したいお宝」に選ばれ、鑑定士としておなじみの中島誠之助さんが雑誌で「お気に入りの九谷焼」に挙げるほどの品です。「テレビをご覧になった方が偶然こちらを訪れ、驚かれることも多いんですよ」と南さんが話す、南惣美術館の「看板」にただただ見とれるばかりです。
(^_^)
さらに進むと、水墨で6人の仙人を描いた優雅な屏風絵がひときわ目を引きます。なんと、安土桃山時代に活躍した能登出身の画家・長谷川等伯作『群仙図』です。作品が国宝や重要文化財に指定される等伯の絵が間近に見られるとは、ビックリです!
(@o@)
このほか、江戸初期の画家で、作品の多くが国宝に指定される俵屋宗達の『菊之図 風炉先』や、「狩野派」で江戸幕府のお抱え絵師だった狩野探幽の『富士之図』などの絵。そして、江戸初期の陶工・野々村仁清の『瓢口平水指』や、陶芸家で書家の本阿弥光悦の『赤茶碗』などの焼き物。そのコレクションの幅広さと奥深さに感嘆するしかありません。
2階には、輪島塗のルーツといわれる豪快にして素朴な合鹿椀(ごうろくわん)や、5世紀ごろから能登半島の突端で焼かれ、室町期に突然姿を消した幻の珠洲焼など、能登ならではの工芸品も充実し、とても勉強になりました。
鑑賞を終え、築約200年の主屋では、南さんが囲炉裏で来館者にお茶をふるまっており、トロトロと燃える薪の炎を見ながらおいしいお茶をいただくと、心がどんどんと休らいでいきました。
(⌒ー⌒)
美術館では、時折展示品を入れ替えているそうですが、主要な作品はいつでも見ることができます。「周囲は昔ながらの自然に囲まれているので、奥能登を旅する際には、ぜひ足を伸ばしてみてください」と南さん。また、毎年6月には、山野草として知られ、平地ではめったに見ることができないササユリが約200本、庭に咲き乱れるので、こちらもぜひ見ておきたいところ。奥能登観光の際は、南惣美術館の貴重な古美術品をお見逃しなく!
南惣美術館
輪島市町野町南大野
TEL 0768-32-0166
FAX 0768-32-0167
開館時間 8:30〜17:30
休館日 年中無休
入館料 大人700円、小・中学生400円 |