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「日本の食文化『炙り』」





 こんにちは。管理人Eです♪
 今回は、能登ならではの“うんちく”をお届けします。
 
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ズラッと並んだ製造中の七輪


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きれいな木炭はお茶炭にもなります


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この奥には何が!!!


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熟練の技で切り出していきます


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遠赤外線効果でふっくら美味しい(*^_^*)


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ピザ釜ほしいなぁ〜


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「Noto Aburi Project」のフェイスブックページ

 唐突ですが、「炙り(炙る)」という言葉から連想する食べものはなんでしょう???。皆さんそれぞれ頭に浮かぶものがあると思います。ところで、「炙る」という言葉を英語で言い換えてみようとすると、なかなか難しいと思いませんか?。グリル・・・?ロースト・・・?スモーク・・・?
 そう、「炙り(炙る)」文化は日本独特のものなんですね。そして、能登には炙るにちなんだ美味しいものがたくさんあるんです。

「炙り」と大いに関係あるのが能登
 「炙り」と「能登」?ピンと来ないですよね。
 どう関係がするかというと、最近はあまり見なくなりましたが、炙るための昔からの道具に、「コンロ」や「七輪」があります。そのコンロや七輪の生産地が能登半島の先端「珠洲市(すずし)」や、和倉温泉のある「七尾市(ななおし)」なのです。
 ただ、ガスの普及とともに製造会社がどんどん姿を消しているのも事実で、製造が盛んだった珠洲市では、現在4社が奮闘しています。
また、コンロ(七輪)の中に入れる燃料は木炭です。同じ珠洲市や能登町などには、木炭を作る職人がいます。「能登の里山里海」は平成23年6月に世界農業遺産に認定されました。木炭に適したクヌギなどの木を植林し、管理することが、里山を守ることにもつながっています。

七輪やコンロをなぜ能登で?!
 珠洲市は、コンロづくりに最適と言われる土、「珪藻土(※1)」の宝庫です。山一帯が珪藻土という場所もたくさんあります。その山を炭坑の坑道を掘るように、鉄砲ノミという特殊な長いノミで切り出しながら奥へ横へと掘っていくので、珪藻土の採掘場はまるで迷路です。
 この珠洲市の珪藻土は粘土分を含んでいるので、コンロの原型となる珪藻土の塊を四角や丸の思い通りの形に切り出すことができ、丈夫なのが特徴です。珪藻土の産地は全国に数カ所ありますが、七輪の原料なっているのは能登半島だけで、この切り出しコンロは珠洲市でしか製造できません。
 切り出した珪藻土の塊はコンロの形に成形され、約800度の高温でまる2日間焼成します。そして、半日かけて冷ました後、磨いて仕上げるのです。

(※1)珪藻とは藻類の一種で、植物性プランクトン。それが化石化し、長い年月をかけて堆積してできた土が珪藻土である。

珪藻土と鋼板製コンロと何が違うか
 珪藻土コンロの外側は、コンロ使用中でもそれほど熱くならず、手で触れることができます。ですから、少し厚手の木を下に引けばテーブルの上でも使用できます。
 また、蓄熱(耐熱)効果が高く、炭の火力を外へ逃がさないという特徴があり、炭の遠赤外線がよく伝わって食材が美味しくなります。そして、炭がものすごく長持ちし、使用量は鋼板製コンロの半分ほどだそうです。素材も天然素材で、良質の炭はほとんどが灰になるのでとってもエコです。

では、炙ってみましょう
 我が家では、まだ寒いこの時期でも家の中で小さなコンロを使い炙っています。「家の中で大丈夫なの?」と思う方が多いでしょうが、実は意外と大丈夫なのです。
 脂たっぷり肉や水分が多いものは、煙が出るのでおすすめはできませんが、脂身の少ないモモ肉や野菜、干物ななら全く問題なしです。(でも、換気扇は回してください(^_-)。)
 
 今回の食材はもちろん能登のもの!! 能登の岩ノリに能登の白ネギ。能登牛のモモ肉に、いしる(能登の魚醤)で味付けした魚の干物、イカや干し甘海老、エイヒレ、そして自家製のお餅です。
 友人を誘ってのホームパーティーの中心に、小さなコンロがあるとすごく楽しいのですよ。炙る時間の合間に話したり飲んだりと、なんだか時間の使い方がうまくなったような気がして、満足感が高まります。
 とっても楽しいですので、ぜひ皆さんにも試してほしいです。おススメです!!

こんな商品も!
 切り出しのコンロの他に、細かく砂状になった珪藻土を練って型に入れて作ったコンロも。切り出しよりも自由にデザインできるので、ピザ釜にだってなります。練りで作られたコンロは、切り出しのコンロより少し重くなりますが、大量生産できるので価格は少しお安くなっているようです。
 1年ほど前に試作のピザ窯でピザを焼いていただきましたが、すぐに焼けちゃうし美味しい。家に一台ほしいくらいです。全国のバーベキュー場に置いてあればすごく喜ばれると思います。
 小さなプロパンガスをつなげて使うタイプでも珪藻土効果はバッチリ!便利でとっても簡単なのが魅力です。
 また、コンロのほかにも、珪藻土でできた商品はたくさんあるようです。珪藻土には、調湿効果があることから室内の壁材として塗られたり、水回りのアイテムに使用されたりすることも多いので、もしかしたら皆さんの身の回りにも珪藻土商品があるかもしれませんね。

「Noto Aburi Project」始まりました
 実は2013年の秋から、丸の内朝大学「地域プロデューサークラス能登編」(※2)のメンバーと珠洲市の珪藻土コンロ会社、炭焼き職人などからなるプロジェクトが始まりました。
 食材だけでなく、それを調理する道具までもがそろう能登を「炙り」の聖地にするという大きな夢を描き、すでに東京で口コミの「炙り」イベントを開催しました。そして、能登の四季を感じながら、能登で炙ろうというツアーも実施する予定です。
また、メンバーが自宅やいろんなところで炙り、炙った食材を紹介するフェイスブックページ「Noto Aburi Project」がありますので、ぜひご覧ください。

(※2)丸の内朝大学とは、東京の大手町・丸の内・有楽町エリア全体をキャンパスに、朝7時代から開校する市民大学で、30代のビジネスパーソンを中心に年齢、性別、職業、勤務地も様々な人が学んでいる。特に、地域プロデューサークラスは地域の課題解決に取り組むもので活動は講座の域を超え、自主的なソーシャルプロジェクトにつながっている。

 今回の“うんちく”いかがだったでしょうか。日本の食文化、そして能登のモノづくりに天然素材と欲張ったような内容でしたが、能登には知られざるものがまだまだ眠っています。これからも、知られざる能登をご紹介していきますので、お楽しみに!
 
 




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